​ご挨拶

 この度、光栄にも2022年12月10日(土)現地会場 北里大学相模原キャンパス、2022年12月24日(土)~2023年1月24日(火)WEBバーチャル会場 オンデマンド配信にて第64回日本産業・労働・交通眼科学会を開催する機会をいただきました。貴重な機会を与えていただきました日本産業・労働・交通眼科学会の理事ならびに会員の皆様方、北里大学関係者の皆様に厚く御礼申し上げます。

 日本産業・労働・交通眼科学会は、長い歴史があり、眼に関する災害予防・安全衛生から眼科医療、視環境の向上まで幅広い分野を包括し、そこに関係する様々な参加者が交差する実学的な学会です。第64回である本学会の目的は「仕事の加速」の集合知を創ることとし、テーマは、「仕事の加速 WORK ACCELERATOR 」と致しました。「ワーク アクセラレータ」あるいは和製英語で「ワーク アクセル」と略してお呼びいただけますと幸いです。

 昨今では働き過ぎを防ぎ、ワーク・ライフ・バランスの実現に向けた働き方改革が提唱されていますが、まだまだ仕事が減らないという声が多く、少数精鋭で稼働している職場も多いのではないかとお察しいたします。過去にメディカルスタッフ向けの講演会で行ったアンケートにおいては、患者数が多い割にスタッフが少ないため検査に割くことができる時間は短く、心理的にも厳しいとの回答が多くありました。そして、このようなタイトな状況下においても高い精度や患者との丁寧なコミュニケーション、合意形成、さらには多くの事務作業が求められており、心身ともに疲弊しやすく、仕事の楽しみや向上心、自分らしい仕事の仕方の探求も行いにくい状況になっているのではないでしょうか。

 このような背景がある中、素晴らしい進化をとげた技術があり、コロナ禍でさらなる発展を遂げるためにデジタルトランスフォーメーション(DX)*1、デジタルツイン(DigitalTwin)*2、メタバース(Metaverse)*3というキーワードが社会のトレンドになっていることもその一つです。そして、それら新しい技術や、長年独自に積み上げたノウハウを活かし、迅速に変化に適応した仕事をしているプロフェッショナルの方々がいます。

 本学会では、仕事の加速に関する演題や技術を多く取り上げ、参加者の皆様と集合知を創り上げたいと思います。精度と丁寧さを保った上での仕事の加速は、患者のQuality of Vision向上という利点があるのはもちろんのこと、皆さまにゆとりと幸せをもたらし、仕事をより楽しく、自分らしい仕事とは何かの答えの一つにしてくれるものと信じています。その想いを込めてテーマに「加速器ACCELERATOR」という言葉を含めました。そして、さらに解釈を拡大させた「連携の加速」として、眼科・視覚に関連した領域も取り上げます。「仕事の加速」は、「安全」や「生産性の向上」、「開発」、「円滑なコミュニケーション」につながります。本学会が「仕事の加速」をさらに意識していただくきっかけとなることを祈っています。

 特別講演は、新しい技術と仕事の関係、応用法から未来につながる内容について岡嶋 克典先生(横浜国立大学・大学院環境情報研究院 社会環境と情報部門・教授)のご講演を予定しています。シンポジウムでは、医療最前線のエキスパートの先生方から手術や検査、コミュニケーション、病院システムなど「眼科の加速」に関するご講演をいただく予定です。

 また、今回の学会は、新型コロナの波がきても柔軟に対応できるよう人数を限定した会場、WEB会場を用意し、WEBのみの特別セッションも加えて、いわゆるハイブリッド開催の形式で実施いたします。WEB会場では、最先端のコンピュータグラフィックス技術を用いることで、リラックスしながら自分の時間に合わせて、見たいものを見るという多くの制約から解放されるWEBコンテンツの制作も行い、参加者の皆様をお迎えいたします。

 最後に、本学会が「仕事の加速」の集合知となり、皆様のお役に立てる学会となるよう鋭意準備してまいりますので、ご指導、ご鞭撻の程、何卒よろしくお願いいたします。

 

*1デジタルトランスフォーメーション(Digital Transformation / DX):情報技術の浸透が、人々の生活をあらゆる面でより良い方向に変化させること

*2デジタルツイン(Digital Twin):現実の世界から収集した多くのデータをコンピュータ上で双子のように再現する技術をさす

*3メタバース(Metaverse): コンピュータネットワーク上に構築された現実世界とは異なる3次元仮想空間のこと

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第64回日本産業・労働・交通眼科学会
会長 川守田 拓志

北里大学医療衛生学部視覚機能療法学